TC鍼灸マッサージ院

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2026.03.27

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日本の鍼灸は「おもてなし」の心。SNSで話題の激しい鍼とは全く違う理由

「鍼(はり)って、太くて痛そう…」

「SNSでザクザク激しく指している動画を見てしまった(中国鍼)」

「ルート鍼ってこんなに指すの…!?」

最近SNSではアグレッシブな鍼の流派(中国鍼・ルート鍼)が出回っていますが、今回の記事はそんな風に思っている方にこそ知っていただきたい事実があります。

結論からお伝えします。

「日本の伝統的な鍼灸は、世界で最も繊細で、体に優しい独自の文化です」

テレビやSNSでよく見る「中国鍼」や、最近話題の「ルート鍼」のように、太い鍼をたくさん刺したり、強い刺激を与える流派とは別物

今回は、知っているようで知らない「日本鍼灸の真実」についてお話しします。

最初に書いておきますが、この記事は中国鍼やルート鍼を否定するものではございません。近年SNSでは激しい手技がミックアップされやすいため、私は「全ての鍼の手技が同様のものではなく、繊細な方が多い日本人の皆様が驚いて鍼灸と距離を置くことがないように、優しい刺激で自己治癒力を高める日本伝統鍼灸もあります。」ということを伝えたく今回久々にブログらしい記事を書きます。

1. 日本の鍼は「痛くない」ように発明された

実は、日本で使われている鍼は、お隣の中国のものとは進化の過程が全く違います。

かつて中国から伝わった鍼は、今の注射針に近いような、比較的「太くてしっかりしたもの」でした。しかし、江戸時代に日本独自の「世紀の発明」が起こります。

「管鍼法(かんしんほう)」という筒を用いる手技です。

江戸時代の鍼師、杉山和一(すぎやま わいち)という人物が、「鍼を細い管(くだ)に入れて刺す方法」を考案しました。

• 中国スタイル: 指の力だけで太い鍼を押し込む(ズーンという重い響きがある)

• 日本スタイル: 管を使うことで、髪の毛よりも細い鍼を痛みなく刺せる

この発明のおかげで、触圧覚(鍼管の圧迫)で痛覚を誤魔化せる日本人の繊細な肌や体質に合わせた、「刺されたことに気づかないほど優しい鍼」が定着したのです。

2. SNSの「アグレッシブな鍼」と何が違うの?

最近SNSで、背中全体にびっしりと鍼を刺したり(ルート鍼など)、太い鍼で強い刺激を与えたりする動画をよく見かけます。これらは「刺激を与えることで体を強制的に変える」というアプローチです。

「ルート鍼」と検索すると、こう出てきます。正直私も初めて見た時は驚きました。

一方で、私が大切にしている「日本伝統の経絡治療(けいらくちりょう)」は、ここまで鍼を無数に刺しません。

ツボを選定して鍼やお灸を使います。例えば、足の甲に肝臓のツボがあったり、腰痛が膝の裏や背中の筋肉の硬さが原因のことも多いため、局所以外のところにもアプローチをかけていくと、状態が戻りにくくなります。

一つに鍼灸と言っても、これだけ違います。もう一度言いますと中国鍼やルート鍼を否定する訳ではありません。ご自身の好みでお選びください。

3. なぜ「優しい刺激」で自律神経が整うのか?

「そんなに優しくて効果があるの?」と思われるかもしれません。しかし、ここが自律神経の面白いところです。

現代人の多くは、ストレスや過労で常に「交感神経(闘争のスイッチ)」がオンになっています。ここに強い刺激を与えると、体はさらに「攻撃された!」と身構えてしまいます。筋肉は緊張し、血管は収縮するのです。

逆に、触れるか触れないかの優しい刺激やリズムを与えると、体は緩み、「副交感神経(リラックスのスイッチ)」がスッと入ります。その時に血管が拡張して血流が良くなり筋肉が柔らかくなります。

適切な刺激を加えれば筋肉だけでなく、脳の興奮を下げられることも研究で分かっていたり、ツボの刺激から内臓の調子を整え、万病の原因である自律神経を整えることができます。

 

経絡治療(けいらくちりょう)の凄さ

私が実践している「経絡治療」は、単に痛い場所に刺すのではありません。

手首の脈を診たり、お腹に触れたり、舌の状態を診ながら問診を丁寧にしていき、五臓六腑(内臓)の乱れ・全身を流れるエネルギー(経絡)の乱れを読み取ります。

体全体のバランスを整えることで、結果として肩こりや不眠、気象病、コロナの後遺症など自律神経の乱れを根本から解決していきます。

これが、日本が1500年かけて磨き上げた究極の美学です。

まとめ

日本の鍼灸は、中国の模倣ではなく、日本人の繊細な感性と「おもてなし」の精神が生んだ、世界に誇れる独自文化です。

SNSで見るような激しい刺激が苦手な方、怖くて一歩踏み出せなかった方にこそ、この「繊細な優しい刺激で心身がほどける体験」を知っていただきたいと願っています。

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