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2020.08.15
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不調の大元は血流!自律神経に効果的な鍼灸治療と3つのセルフケア
あなたは以下のような疑問を抱えていませんか?
・自律神経の調整に鍼灸治療は有効なのか?
・自律神経を整えるためのセルフケアはあるのか?
・自律神経を整えるためにはどのくらいの期間が必要か?
そして、この記事を読もうと検索したきっかけは次の様な症状をお持ちの方が多いのではないでしょうか?
不眠や便秘・下痢などの胃腸トラブル、だるさ、疲れがとれない、頭痛、めまい、冷え性、うつ、目の疲れ、集中力の低下、のぼせ、更年期障害、頻尿、動悸、肩凝りや腰痛などの様々な「体」と「心」の不調。
鍼灸や自律神経という言葉は聞いたことがあるものの、詳しく分からない人が多いと思います。
この記事では、自律神経に鍼灸が効く仕組みや整えるために自分で出来ること、整うまでの期間の目安を徹底的に解説していきます。
自律神経自体がお分かりでない人は、自律神経とは?全ての不調の根本原因をお読みください。
1.自律神経の調整には鍼灸治療が効果的
自律神経の調整には鍼灸治療が効果的です。
なぜなら、自律神経の調整には「全身の血流を改善させるための血管の働き」が大切であり、鍼灸治療はこれを調整できる治療法だからです。
自律神経とは、内臓や血管などの働きをコントロールし、体内の環境を整える神経です。
鍼灸治療は内臓の働きを整え、自律神経を正常に戻すことができます。
WHO(世界保健機構)が選定した361種類のツボを中心に、その人その症状に合ったツボを使い分けていきます。
実際に私が担当する患者様の改善例をご紹介いたします。
患者様の声:岩瀬様「鍼灸治療を行い、血流が良くなったことで、様々な症状が改善しました。」
プロフィール
お名前:岩瀬様
ご年齢:87歳(1933年生まれ)
既往歴:16年前に脳梗塞(右半身麻痺)を発症。他に誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)や令和元年末には腰椎圧迫骨折(ようついあっぱくこっせつ)を発症
治療:自律神経の調整をするために内臓のアプローチをしながら筋硬結(きんこうけつ)や緊張を緩和。全身の血流循環の改善を月3回のペースで継続中
以下、岩瀬様と奥様へのインタビューです。
ご本人様「何より血流が良くなったことで色々な症状が改善しました。常々森田先生が仰っていましたが、自律神経を整えて免疫力が上がる治療を信じて続けて良かったと思っています。鍼灸を受けてからは風邪を引かなくなりました。熱を出すことが頻繁にあったのですが、それがなくなりました。また咳はしょっちゅうしていたのですが、いつの間にか落ち着いています。」
奥様「掛かりつけのお医者様からも前より肺の数値と音が良くなったと言われて助かっています。あと皮膚のかゆみも思い返したら無くなっています。」
ご本人様「年末に腰椎を圧迫骨折した時も助かりました。直ぐに退院をして鍼灸治療を受けると三カ月で痛みが治まったので良かったです。」
この他にも右半身の筋緊張や末端の冷え、ご家族様の介助での歩行距離、呼吸音の目立ちが改善しています。
自律神経を整えることで全身の血流が改善していき、根本原因が良くなることで自律神経に関わる様々な症状が改善していきます。
また鍼灸治療の良いところは、症状改善後も再発リスクを下げること、大きな病気や怪我の予防治療が出来るところです。
次々と大きな病気に罹ってしまってからの対処では遅いため、意識改革をしましょう。
次章では鍼灸治療を受けつつ、自分の意識で更に改善が見込める3つのポイントを紹介していきます。
2.自律神経を整えるために自分で出来る3つの意識改革とセルフケア
自律神経を整えるために自分で出来る意識改革が3つあります。
それは、食事(胃腸)・睡眠(肝臓)・呼吸(肺)です。
※血(けつ)とは、東洋医学の独特な言い回しです。血液だけでなくホルモン作用なども指します。
全身の血流を整えることが自律神経の調整には重要だと説明しました。
この血流が食事・睡眠・呼吸に対して、どのように関わってくるのか1つずつ説明していきます。
2-1.血をつくるために胃腸の消化吸収率を上げ、栄養価の高い食材選びをする(食事)
血をつくるために胃腸を整えて消化吸収率を上げ、栄養価の高い食材選びをしましょう。
胃腸が正常に働かなければ、そもそも栄養を吸収できず、血が作れません。
食事で気をつけることを5つ紹介していきます。
(1)冷たい食べ物や飲み物を摂り過ぎない
冷たい食べ物や飲み物を摂り過ぎないようにしましょう。
胃は食べ物が入る最初の臓器なので冷えやすく、働きが悪くなります。
特に注意するのは夏です。暑いからといって冷たいものを摂り過ぎるとその不調は秋にどーんと来てしまいます。
体を冷やす陰性食材や冷たい飲み物はなるべく控えるようにしましょう。
(2)腹八分目にする
食べ過ぎには気をつけましょう。空腹時に行う腸内の大掃除が出来なくなるからです。
食べ過ぎる対策としては、食べ物を沢山噛むこと。
ゆっくり食べることで満腹中枢が働くのを待ち、消化吸収率もUPするメリットもあります。
食事は腹八分目に留めておくと良いでしょう。
(3)間食を控える
主食以外にお菓子などをついつい摘まんでしまう人は気をつけて下さい。⑵同様、空腹時に腸が大掃除を始めるからです。
掃除が出来ないと胃腸の働きが低下し、栄養が吸収出来なくなります。また、肌トラブルの原因にもなります。
どうしても小腹が空いたらヨーグルトなど消化の良いもの食べて、なるべく間食は控えましょう。
(4)夕食は21時までに食べ終える
夕食は遅くても21時までに終わらせましょう。
遅い時間に食べてしまうと、睡眠中90分に1度の間隔で起こる腸の大掃除を妨げてしまうからです。
仕事の帰りが遅いなど難しい方もいるかと思いますが、本来の理想は18時。
この時間に夕食を済ませ、または夕食断食を1週間ほど設けることで、腸の中の大掃除がしっかりとできます。
便秘や下痢、胃痛などの胃腸トラブルや夏バテ、肌荒れ、浮腫み、栄養を吸収する力の改善に繋がるため、夕食はなるべく早い時間に済ませて下さい。
(5)鶏肉を食べる
血をつくるために鶏肉がおすすめです。
鶏肉は、ほうれん草より鉄分の吸収率が5倍もあります。
特に骨の部分は栄養価が高いため、手羽元などをスープ仕立てにすると良いでしょう。
温かい方が栄養の吸収率がさらにUPします。鶏肉を食べて血の原料を効率よく補給して下さい。
身体のためにこれらの食事意識を変えていきましょう。
2-2.血を増やすために睡眠の質を向上し、肝臓を正常に働かせる(睡眠)
血を増やすために睡眠の質を向上し、肝臓を正常に働かせましょう。
東洋医学では肝臓が正常に働くことで睡眠中に血がつくられ、汚れた血が綺麗に浄化されると考えます。
睡眠で気をつけることを3つ紹介していきます。
(1)23時までに寝る
23時までに寝ることが大切です。
中国最古の医学書である黄帝内経(こうていだいけい)には、子牛流注という考え方から肝の時間:1時~3時と、肝と関係の深い胆の時間:23時~1時は、血をつくるために重要な時間だと書かれています。
中国のことわざにも「一度の食事よりも子の刻(23時~1時)に睡眠をとるほうが大事だ」という言葉があるほどです。
夜規則正しく寝るためには朝起きる時間が重要なため、次に睡眠の質を高める朝の習慣を紹介します。
(2)早起きをして朝日を浴びる
早起きをして朝日を浴びましょう。
人間の身体はホルモンバランスにより、朝日を浴びてから14~16時間後に眠くなる仕組みとなっているからです。
ですので、7:00頃に起きてカーテンを空けて朝日を浴びるようにすると、夜は21:00から23:00頃に自然と眠くなります。
(3)寝るギリギリまでスマホなどの画面を見ない
寝るギリギリまでスマホなどの画面を見ないようにしましょう。
この習慣が当てはまる人はかなりの多いのではないでしょうか?
画面から出るブルーライトは脳を覚醒し、睡眠の質を悪くします。
また、単純に目を酷使することは血の不足に繋がります。
就寝前は部屋を電球色で暗くし、脳を睡眠モードにする環境を整え、就寝前にスマホを見る習慣を止めましょう。
日本の女性は「血虚(けっきょ)」という貧血状態の人がほとんど
胃弱大国ということもあって日本の女性は血液不足の人が多くいます。
生理で毎月一定量の血が出ていく女性は、経血の状態をチェックしておくと体の状態が把握できます。
- ・経血が濃い
- ・塊がよく出る
- ・量が多い
などは不調のサインです。
ほかにも性別関係なくストレスやアルコール摂取などから肝臓が疲れると、
- ・イライラしやすい
- ・不安
- ・下痢、思考能力の低下
などの血虚症状が起こります。
血が不足していては血流が生まれません。日頃の状態を今までより意識して生活しましょう。
睡眠の質を向上し、肝臓を正常に働かせることは、血をつくりやすい環境作りに繋がります。
2-3.血を全身に巡らせるために姿勢と呼吸を意識する(呼吸)
血を全身に巡らせるために、姿勢と呼吸を意識しましょう。
ここでは意識することは1つだけ。正しい姿勢で呼吸を大きく意識することです。
姿勢と呼吸の関りは深く、正しい姿勢は呼吸量を大きくします。呼吸量が大きいことでお腹の深い筋肉であるインナーマッスルが働きやすくなり、正しい姿勢の維持がしやすくなるという関係になっています。
正しい姿勢で呼吸をするためには次の4つのポイントをおさえましょう。
- ①頭のてっぺんから骨盤まで1本の棒が刺さっているイメージを持って姿勢を保つこと
- ②左右の肩甲骨を少し近づけ、胸を張ること
- ③下腹部を少し凹ませること
- ④お尻の穴にキュッと力を入れること
日頃の生活からこれらを気をつけて呼吸量を大きくしましょう。
全身の血流が促進することは健康や美容、見た目の印象までも良くなります。
これら食事・睡眠・呼吸の問題は複数持っている人も多くいます。
その場合、改善する優先度としては、食事(胃腸)>睡眠(肝臓)>呼吸(肺)の順番で改善していきましょう。
血をつくる→増やす→流す順番と覚えて下さい。
胃腸の不調で血となる栄養を吸収出来なければ、血もつくれず血流を促せません。
全て当てはまった人は先ず胃腸の調子から整えていきましょう。
鍼灸治療ではこのような優先度を更に細かく判断して治療します。
セルフケアだけでは改善しない問題を鍼灸治療で補うことが大切です。
最後の章では鍼灸とセルフケアを継続すれば、どの位の期間で体質が変化していくのか説明していきます。
3.自律神経が整う目安として先ずは4ヶ月
自律神経が整う目安として、鍼灸治療とセルフケアを先ずは4ヶ月継続して下さい。
理由は、血の成分である赤血球が生まれ変わる期間が4ヶ月だからです。
赤血球とは主に、エネルギーである酸素を鉄と反応させて全身に送る働きをしています。
4ヶ月は長いと感じる人も多いかと思います。
しかし、今まで長い時間をかけて悪循環にしてしまった身体を、たった4ヶ月で根本から改善するきっかけを作れるということはけっして長くありません。
しかし、4ヶ月経たないと変化が起こらないわけではありません。
日々着実に体は変化していき、体調もしだいに改善していきます。
また、様々な不調のサインがなくなるということは、脳の回転が向上して様々な体の働きが良い方向へシフトしていきます。
- ・病気や怪我の発症リスクを最小限にできる
- ・将来同世代と比べて健康で若々しくいられる
このためにも「今から」体へのケアが大切です。
4ヶ月間続けることが出来れば、セルフケアもしっかりと習慣になるでしょう。
習慣にすることが出来れば、体内の良いサイクルがどんどん快調の方向へ導いてくれますので、先ずは4ヶ月間続けて下さい。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事を最後まで読んでいただいた人は、自律神経の乱れから現在も何かしらの不調を抱えている人が多いかと思います。
最後に本記事で解説した内容をまとめるとポイントは3つです。
(1)自律神経の調整には鍼灸治療が効果的
自律神経の調整には「全身の血流を改善すること」が大切であり、鍼灸治療はこれを調整できる治療法。
(2)自律神経を整えるために自分で出来る3つの意識改革
- 1.血をつくるために胃腸を整えて消化吸収を上げ、栄養価の高い食材選びをする
- 2.血を増やすために睡眠の質を向上し肝臓を正常に働かせる
- 3.血を全身に巡らせるために呼吸量は大きく意識する
(3)自律神経が整う目安として先ずは4ヶ月
- ・血の成分である赤血球が生まれ変わるのが4ヶ月
- ・鍼灸治療は改善度合いに従って徐々に間隔を空けて定期的に通えることが理想的
一日の積み重ねが一カ月になり、その積み重ねが一年となり、継続していくことで人生が変わっていきます。
これは貯金と同じです。
良い貯金を継続することで将来が変わりますので、この記事を読まれて体にとって良い方法が分かった皆様は、ぜひ生活習慣を見直して下さい。
三週間続けることで習慣になり、三カ月続けることができれば無意識な習慣にまで落とし込めます。
万病の元である自律神経を鍼灸治療とセルフケアで整えましょう。
できるだけ健康で若々しい状態で長生きができる方が一人でも増えることを願います。