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2020.09.10
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腰痛は鍼灸マッサージで改善する!治療方法と改善事例をご紹介
この記事にたどり着いた方は次のような疑問をお持ちではないでしょうか?
・鍼灸治療で腰痛が改善するの?
・手術をしなくて済む治療法はないの?
腰痛に悩み鍼灸治療に興味がある方は、きっとあらゆる対処法を試されたかと思います。
腰痛は85%以上が原因不明とされていますが、私の経験上、原因不明の腰痛は冷えやストレスからくるものがほとんどです。
腰の不調は自覚に出にくいため、症状が少しでも出ているときは早めの処置が必要になります。
この記事では、様々な腰痛に対する鍼灸アプローチや改善事例、セルフケアを詳しく紹介していきます。
一つずつ見ていきましょう。
1.腰痛は鍼灸マッサージで改善する!治療方法と改善事例をご紹介
腰痛は鍼灸で改善するものも多いです。手術まではしたくないけど症状を抑えられれば良いという方にはおすすめです。
実際に私自身も小学生の頃に外傷性の変形性すべり症で腰の骨が一つ前に出てしまいましたが、手術は行わずに腰の深部の筋肉をケアしていれば症状を感じずに生活が送れています。
手術も体を切るリスクがあるため、決断は慎重にされてください。私の考えとしては、メスを入れずにしっかりと鍼灸などで治療をして症状が治まる程度であれば手術までは今のところしなくて良いという考えです。
治療方法と改善事例をそれぞれ解説していきます。
※鍼灸が筋肉の凝りに対して根本的にアプローチができることは、これでおさらば!肩こりを最短で根本的に改善ができる鍼灸治療の1章で説明していますので併せてご覧下さい。
治療方法
鍼灸治療は、腰痛に効果的な治療法です。なぜなら治療直後から数時間痛みを抑える即時効果を出しながら、痛みを誘発させる根本原因を同時に改善させることができる治療法だからです。
即時効果と根本治療について具体的に説明します。
⑴即時効果:
鍼灸刺激からβエンドルフィンやエンケファリンなど鎮痛物質を放出し、数時間に渡って痛みの抑制を行うことが出来ます。
(参考文献:医療連携により鍼灸医療を組み入れた新たなる展望)
薬でいうと痛み止めの役割をします。鍼灸治療には副作用がないところがメリットです。
⑵根本治療:
根本から腰痛を改善させるためには、深部の筋肉の緊張を緩和させる必要があります。血流が悪くなる原因は冷えやストレス、疲労、姿勢、食事などから自律神経が乱れ、血管が細くなることです。
鍼灸はこの乱れた自律神経に対するアプローチを得意としています。薬や湿布の鎮痛効果ではこの根本的な原因は解決できません。むしろロキソニンやリリカなど鎮痛薬には消化器の不調やむくみ、痺れの発生など副作用があるということを抑えておく必要があります。
まとめると鍼灸マッサージは、
⑴まず辛い痛みを麻痺させ、一時的にリラックスできる時間を作り血流改善を促す
⑵自律神経の調整から血流を促進させることで腰痛の根本原因である筋肉を緩ませる
この2つの両面からアプローチすることが可能な治療法となります。
ぎっくり腰などの急性症状や長期的にお辛い慢性症状のどちらにも効果的ですので、続いて改善事例をご紹介していきます。
改善事例
次に改善事例をご説明します。事例は3つです。
- 事例1)慢性的な腰痛
- 事例2)ぎっくり腰
- 事例3)腰椎椎間板ヘルニア
それでは事例1から解説していきます。
デスクワークで長時間の座り仕事が10年間続き5年前から腰痛に苦しむ。ストレスや不摂生な生活に心当たりがある。
状態:
長期的な座位疲労の蓄積から腰の深部まで筋肉が凝り固まる。更に胃腸や肝臓の不調から自律神経が乱れ、血管が細くなり腰部の血流が悪くなっていた。
治療の流れ:
①週2回のペースで4回来院し、浅部の筋肉から徐々に緊張を緩和していく。加えて自律神経の調整から血管を拡張させて血流を改善させる。
- ・生活指導としては運動不足であった為、踵の上下運動1日10回2セットを生活に取り入れる。
- ・下半身を温める意識改革をし、脚の血流改善から腰部の血流改善を試みる。
- ・胃腸が疲れていると栄養が吸収出来ないため、胃腸に優しい食事指導をした。
②週1回のペースで4回来院し、深部の凝りを中心に治療をする。腰に負担をかけていた背中と太ももの張りへも並行してアプローチを掛ける。姿勢の悪さは肺の呼吸量が少ないことが原因だった為、自律神経と筋肉のバランスに対して治療をした。
- ・生活指導としては、パソコン作業時の姿勢が悪かった為、腹式呼吸とパソコンや椅子の高さを修正するよう指導した。
- ・動きに支障がなくなったタイミングで軽い運動を勧める。
③仕事のスタイルは変えられないため、疲労の蓄積が溜まらないように月1回のペースでメンテナンスを続けることを希望された。
朝起きて歯を磨いている最中に軽い前傾姿勢で腰に激痛が走り、そのまま腰を伸ばせなくなる。
状態:
右腰部に中程度の炎症が起こる。湿布を貼って来院。
治療の流れ:
①炎症を早期に抑えるため、短時間低料金プランで2日に1回の高頻度で通う。
※発症後早く治療が出来れば出来るほど急性症状の改善は早く済みます。来院回数は炎症の度合いによって異なります。
・生活指導としては、湿布の取り換え頻度や万が一かぶれた際の対処、湯船には浸からないこと、コルセットの正しい付け方を指導する。
②週1回ペースを3回来院し、改善度に合わせて隔週を2回の頻度に伸ばしながら、炎症で硬くなった筋肉を緩和していく。治療していく中で、ぎっくり腰の原因が長年の冷え性と脚の硬さと判断し同時にそれに対して根本治療を開始する。
・生活指導としては、コルセットの使用頻度や日中の冷え対策、腰を温める段階に入ったため湯船にゆっくりと浸かることを指導する。
長年抱えていた腰痛が悪化。病院では脊柱管狭窄症と診断され、手術を勧められたが極力手術は避けたく鍼灸院へ来院。坐骨神経痛の症状もある。
状態:
10分に一度の頻度で休憩しなければ痛みが誘発し歩行困難(※1間欠性跛行)。左臀部(おしり)から足底にかけて痛みとしびれが常にある。発症前と比べて通勤時間が倍掛かるようになってしまったので、自宅を早く出るために睡眠時間を削って早起きをしている。
※1間欠性跛行(かんけつせいはこう):しばらく歩くと足に痛みやしびれを生じ、少し休むと再び歩けるようになる症状
治療の流れ:
①週2回のペースを8回来院し、腰部の硬さを浅部と深部の両方からアプローチ。目的は神経を圧迫している深い筋肉の緊張を緩和させること。同時に趣味のゴルフから腰に関与する負担と、不眠からくる自律神経の乱れを全身のバランスから診て治療をする。
- ・生活指導としては、座るときに足を組む癖と正しい歩行の仕方を指導。
- ・加えて短時間でもなるべく深い睡眠がとれるための養生を伝える。
- ・ゴルフは一旦休憩するように提案。
②週1回または週2回のペースで10回来院していただき、引き続き深い筋へのアプローチを続ける。同時に自律神経の調整から血流を改善させ、全身の筋のバランス調整を続ける。
・指導としては、冷たい物をよく口にする問題と肥満を改善する必要があったため食事指導をした。
③坐骨神経痛は比較的長期に渡るため、月2回のペースで6回通いながら症状を軽減させていき、脊柱管を狭窄させる筋肉の緊張を再び強めないようにメンテナンスをする。
④最後は月1回ペースで来院され、初回から8ヶ月後に坐骨神経痛が改善し、再び症状が出ないように継続される。
※これらは平均的な改善事例ですが個人差があります。
症状を早く改善させるための共通事項は、最初の段階では高頻度の治療が必要だということ。
最初は改善をしても元の状態に戻るのが早く、戻りきる前に次の治療を重ねていかなければいけないからです。
これで治療方法と改善事例の把握が出来たかと思いますので、次章では腰痛の種類と原因を見ていきましょう。
2.腰痛の種類
腰痛の種類は以下となります。
⑴神経の圧迫
- ・腰椎椎間板ヘルニア
- ・腰部脊柱管狭窄症
- ・腰椎圧迫骨折
- ・腰椎変性すべり症
- ・坐骨神経痛
⑵内臓が原因
- ・骨粗しょう症
⑶炎症が原因
- ・激しい運動後の腰痛(筋・筋膜性腰痛)
- ・ぎっくり腰
⑷生活習慣が原因
- ・冷え
- ・ストレス
- ・悪い姿勢(妊娠も含む)
- ・食事の不摂生
⑸女性特有の腰痛
- ・生理痛
- ・婦人科系の疾患
それぞれについて説明していきます。
2-1.神経の圧迫
神経を圧迫する主なパターンは以下になります。
- ・腰椎椎間板ヘルニア
- ・腰部脊柱管狭窄症
- ・腰椎圧迫骨折
- ・腰椎変性すべり症
- ・坐骨神経痛
神経圧迫とは腰椎自体が潰れ、その中を走っている神経に圧迫が掛かるか、腰の骨の間から出る神経を深部の筋肉が圧迫してしまう事をいいます。
それぞれ骨密度や筋肉量の低下、筋緊張の高ぶりから起こるものです。
鍼灸では、この損傷周囲の硬くなった筋肉を中心にアプローチをしていき、神経の圧迫された環境を改善していきます。
周囲の血流を改善して深部筋肉の緊張を緩和させることが出来れば、神経の圧迫が緩和されて症状が治まる場合も少なくありません。
加えて腰に負担を掛けないセルフケアをしていくことで手術をせずに普段の生活に戻れる人も多くいます。
2-2.内臓が原因
内臓の調子が原因で起こる疾患では、骨粗しょう症を紹介します。骨粗しょう症の原因は病院だと老化だと言われて終わることも多いかと思います。
しかし、骨粗しょう症になる高齢者とならない高齢者とではどんな差があるでしょう。
答えは内臓の調子です。
骨にはカルシウムが必要ですが、このカルシウムを腸から吸収するためには腎臓から出るビタミンDが必要です。
ですので、腸と腎臓を正常に働かせるために血流が必要となります。
疲れや不調の蓄積から自律神経が乱れて血流が悪くなると、内臓の調子が悪くなってしまいます。
カルシウムを吸収し、骨をつくれる環境作りが大切です。
2-3.炎症が原因
炎症が原因の主なパターンは以下になります。
- ・激しい運動後の腰痛(筋・筋膜性腰痛)
- ・ぎっくり腰
炎症とは、損傷部位に熱と内出血が起こります。
先ずは炎症を抑える処置が必要であり、その後は熱や内出血の影響で硬くなった筋肉を深部までしっかりと緩和させる必要があります。
ここまでの治療をしっかりとやらなければ、前回より悪い度合いで直ぐに再発するリスクが非常に高くなってしまいます。
2-4.生活習慣が原因
日ごろの生活習慣などが原因になるパターンは以下になります。
- ・冷え
- ・ストレス
- ・悪い姿勢(妊娠を含む)
- ・食事の不摂生
これらを放って置くことで血流が悪くなり、自律神経が乱れた影響から更に血流が悪くなるという負の連鎖になります。
鍼灸では、痛めた筋肉の治療・痛めた筋肉に関連する他の筋肉へのアプローチ・内臓の調整・生活指導を行って自律神経の調整をしていきます。
2-5.女性特有の腰痛
女性特有の腰痛とは以下のパターンが原因になります。
- ・生理痛
- ・婦人科系の疾患
子宮の血流不足からこのような症状が現れます。生理痛の場合、血流不足によって子宮内膜がスムースに剥がれず、ベリベリと剥がれる為に痛みが増悪してしまうからです。
子宮の血流と深い関係のある腸の循環を鍼灸では改善することが出来ます。
また、生理痛や婦人科系の疾患は体を冷やしてしまうと症状が悪化しますので生活指導も徹底的に行っていきます。
そもそも腰痛の約85%は原因不明とされています。
しかし、東洋医学の考え方や私の経験上、原因不明とされる分類の多くは「冷え」や「ストレス」を中心に自律神経が乱れていることや、そこから深部の筋肉が慢性的に硬くなっていることが原因なことが非常に多いのです。
筋肉の痛みは、主に硬くなることで起こります。硬さは血流が悪くなると起こりますが、その血流の通り道である血管自体が細くなったり広がり過ぎていたりしていることが根本的な原因。
鍼灸治療はこの根本である自律神経の調整を内臓の働きを調節して整えることを得意としています。
コラム:手術の選択は鍼灸を受けてからでも遅くない
怪我の場合には、手術の選択は鍼灸を受けてからでも遅くありません。
整形外科では痛み止めの薬や湿布などの対症療法が効かなかった場合、次のステップが手術になってしまいます。
このステップの間で鍼灸の自律神経調整や深部の筋緊張の緩和からの血流改善で、症状を緩和させることが出来れば一旦手術は見直すべきです。
手術のリスクを把握しておきましょう。手術をすることで、
- ⑴入院中や筋肉を使えない間での筋力低下
- ⑵術後のリハビリに体力が必要
- ⑶必ず症状が改善するとは限らない
- ⑷切開部分は70%以上血行不良になる
- ⑸人工関節は10~15年に一度変える必要がある
過度なスポーツを続ける場合には手術が必要ですが、一般的にはこのようなリスクを考えると手術以外の選択で症状が治まるのであれば手術は考え直した方が良いでしょう。
また、手術をしても根本部分の血流が不足していれば、結局血流を改善させる治療が必要になります。
手術を選択したからといって100%改善する保証はなく、その後のリハビリも非常に大変です。よっぽど緊急を要する事態でなければ、鍼灸を試してからでも遅くはありません。
実際に私自身が12歳から腰椎変性すべり症をスポーツ時に発症しています。症状としては坐骨神経痛に長年悩まされてきましたが、鍼灸治療を定期的に出来ていれば現在症状は全くないのです。
ですので手術は最終手段にしましょう。メスを入れるということは体にダメージが大きいということ、リハビリが大変であることを抑えておく必要があります。
手術を決断される前に先ずは鍼灸治療を試してみて下さい。
また、私は17歳で両足首を片方ずつ骨折し、スポーツを続けるために左足首の手術を勧められました。その手術痕は負荷の多いときや冬場に未だに痛みとして出てくることがあります。
こういったリスクも十分に考えた上で手術をするのか決断すべきです。
判断する参考にしていただき、手術の前には一定期間鍼灸治療を試してみることをお勧め致します。
それでは次章で最後となりますが、腰痛に対するセルフ予防改善方法を3つ紹介していきます。
3.腰痛のセルフ予防改善方法は3つ
腰痛のセルフ予防改善方法は3つあります。
- ・腰に負担の掛からない姿勢を意識する
- ・ふくらはぎの血行を良くする
- ・辛いときや負担が掛かるときはコルセットを使う
それぞれ詳しく紹介していきます。
3-1.腰に負担の掛からない姿勢を意識する
腰に負担の掛からない姿勢を意識しましょう。
姿勢が悪いとお腹の深い筋肉であるインナーマッスルが使えなくなる為、腰方形筋や脊柱起立筋などの大きな筋肉に負担が掛かりやすく、大きな筋肉は疲れやすい特徴があるので痛めやすくなります。
具体的にどのような姿勢を気にするべきか今回は次の3つを紹介していきます。
- ⑴座位でも立位でも下腹部を前に置かない
- ⑵足を組まない
- ⑶外重心歩行をしない
普段当てはまるものがないか一つずつ見ていきましょう。
⑴座位でも立位でも下腹部を前に置かない
座位でも立位でも下腹部を前に置かないようにしましょう。
下腹部を前に置いてしまうとインナーマッスルが働かず、腰への負担が大きくなります。
ポイントは3つです、
- ・背筋を伸ばして骨盤の上に頭を置く
- ・下腹部を少し凹ませる
- ・お尻の穴を締める
これを意識するだけで姿勢が良くなりお腹のインナーマッスルが働きます。
ついつい下腹部が前に出る姿勢の方が楽かと思いますが、頭頂から骨盤まで真っすぐの棒が突き刺さってるイメージを持って姿勢を正しく保ちましょう。
⑵足を組まない
足を組まないことも大切です。重心が偏ることで片方の筋肉ばかりに負担が掛かります。
癖が続くと腰だけではなく、背中から肩、首まで影響するため、なるべく組まない様にするか反対も同じくらい組み直すように意識しましょう。
⑶外重心歩行にならない
外重心歩行とは簡単に言うと、ペンギンの様に小指に重心をかけて歩くことです。
最後は親指に重心をかけて地面を蹴る歩行が正しい歩き方になりますが、外重心歩行は脚の外側から臀部(おしり)に負担がかかり、腰への負担が強くなります。
歩行周期
- ①踵から付く
- ②外に重心がよる
- ③親指の付け根に重心をもっていく
- ④親指で地面を蹴る
癖が付くまでは「最後は親指に重心を乗せる」と意識して歩きましょう。
姿勢は意識次第です。慣れるまで正しい姿勢を維持することは疲れますが、なるべく意識し継続しましょう。
楽な姿勢を続けるとインナーマッスルが弱くなり、将来胃や腸などの消化器の調子が悪くなることや排尿障害などにも繋がるので注意が必要です。
3-2.ふくらはぎの血行を良くする
ふくらはぎの血行を良くすることで腰が楽になります。ツボや筋膜、血流の繋がりを知ると、ふくらはぎと腰は非常に関係が深いことが分かります。
血行を良くするためには特にふくらはぎの中央と外のラインを、
- ・押す:3秒かけて少しずつ痛気持ち良く感じるところまで圧を入れ、その圧を3秒キープし、3秒かけて圧を抜いていく
- ・ストレッチ:アキレス腱を伸ばしましょう
- ・お灸:ライン沿いの圧痛点にお灸を2、3回繰り返して下さい
※ストレッチは反動を付けると効果が低くなるため、伸びたところでキープする様にすると効果的です。
中程度までの腰症状であれば、ふくらはぎの血行をセルフでも改善させることが出来、腰が少し楽になるでしょう。
3-3.辛いときや負担が掛かるときにはコルセットを使う
辛いときや負担が掛かるときにはコルセットを使いましょう。コルセットは筋肉の役割を果たし、腰の負担を軽減させることが出来るからです。
注意することは頻度と使い方。
頻繁に使用すると筋肉が落ちてしまうので辛いときや負担が掛かるときに使用しましょう。
使用する位置は仙骨周囲で固定し、付ける位置を間違えると効果がありません。
腰に巻いてしまう間違いが多いですが思っているより下になると思います。確認していきましょう。
コルセットを装着する正しい位置は、図のように腰骨と足の付け根の外側にある大転子との間の仙骨周囲になります。
ここを締めるだけでコルセットは効果があるため、私は10センチ程度の細いタイプで動きやすい、ダイヤ工業株式会社の腰コルセットバリアツイストカラーメッシュタイプをおすすめします。
暑苦しくなく、座位でも圧迫が少ないタイプです。
今まで私自身も30種類以上のコルセットを試してきましたが、固定力も強いこのコルセットに出会ってからは長年愛用しています。
価格はFreeタイプで税込5.500円。LLサイズとSサイズもあります。
注意をすることは、逆流性食道炎になるリスクを回避するために食事の際には外して下さい。
詳しい装着方法は、ダイヤ工業株式会社バリアツイストのページで動画をご覧ください。
コラム:炎症が起きている時は冷やし、そうでない時は温める
過去数多くの患者様を治療させていただいた中で、痛みに対して冷やすべき時と温めるべき時を間違えている方が非常に多くいました。
ここで確認しておきましょう。
炎症が起きている時は冷やす
ぎっくり腰や寝違えなどの炎症が起きている時は患部を冷やして下さい。
なぜなら、炎症とは筋に熱や内出血が起きている時であるため、温めると悪化するからです。
炎症が起こっている際に湯船に浸かることや、カイロなどで温めることは症状が悪化し治癒が遅くなります。
炎症の見分け方としては、患部に熱をもっているか痛みが急で強く出たときは可能性が高いでしょう。
また、湿布は長時間貼るとかぶれる原因になりますので、4.5時間で一回皮膚の休憩をしてから再び新しい湿布を貼り直しましょう。
よくある間違いは、湿布がスースーしている間は効いていると勘違いし、長時間貼ってしまったりリサイクルしてしまったりする方がいます。スースーする感覚は鎮痛効果ではなく単なるメントールです。
炎症が起きている時の正しい対処としては、シャワーで済ませるか入らない選択をします。
そして患部に湿布を貼り、その上からアイスノンなどで冷やすようにして下さい。
圧迫をして手足の怪我の際には患部を心臓より高く上げて安静にできるとベストです。
Rest:安静、 Icing:冷却、Compression:圧迫、Elevation:挙上
“炎症のときにはライス(RICE)”と覚えておきましょう。
炎症後や慢性的な痛みは温める
炎症後や慢性的な痛みには患部を温めましょう。
「炎症時以外は基本的に温める」と覚えておくとシンプルです。
痛みの原因である凝りは血流不足から起こるため、温めて血流を改善させることが大切です。
特に腰痛は足首や膝周囲も同様に。首肩の症状に対しては手首や肘周囲も患部と一緒に温められると改善効果が更に期待できます。
しかし、最近の夏は猛暑が続き熱中症の危険もあるため、夏場は冷やさない程度の意識が適切です。
炎症後や慢性的な痛みの正しい対処は、湯船にしっかり浸かります。
そして、カイロや湯たんぽなどで温めて下さい。
更に寒い時期に外出をする際には、マフラーや腹巻、レッグウォーマーなどで冷やさないように出来ると良いでしょう。
まとめると、「炎症は冷やし、炎症後や慢性症状は温める」です。
これで痛みがある時に冷やすべきなのか温めるべきなのかがご理解いただけたかと思います。
対処を間違えると症状が悪化し、治療回数が増えて治癒が遅くなりますので気をつけて下さい。
これらの意識が腰に対して非常に大切になりますので、実行出来そうなところから始めて下さい。
先ずは3週間続けられるレベルで生活の中に取り入れましょう。3週間続けると習慣化し、3か月継続することが出来れば無意識な習慣になります。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。腰痛が鍼灸マッサージで改善することや、腰痛の原因、腰痛に対するセルフ予防改善方法がご理解いただけたかと思います。
最後に本記事で解説した内容をまとめると、ポイントは以下の3つになります。
⑴腰痛は鍼灸マッサージで改善する
・まず辛い痛みを麻痺させ、一時的にリラックスできる時間を作り血流改善を促し、
・自律神経の調整から血流を促進させることで腰痛の根本原因である筋肉を緩ませることが出来る
2つの両面からアプローチすることが可能な治療法。
⑵腰痛の原因
腰痛は85%以上が原因不明。しかし、原因不明の腰痛の多くは冷えやストレスからくるものが多く、鍼灸治療が適応する。
⑶腰痛のセルフ予防改善方法は3つ
- ・腰に負担の掛からない姿勢を意識する
- ・ふくらはぎの血行を良くする
- ・辛いときや負担が掛かるときはコルセットを使う
放って置いたら改善した腰痛でも、その時に必ずしっかりとした治療を行って下さい。
なぜなら、根本の原因が改善されないまま放って置くと、次回の再発が直ぐに来ることが多く前回より更にひどい度合いで出る可能性が高いからです。
体のサインを放って置くことは、後々大きな怪我か病気として出てしまうので早めの対処をしておきましょう。
早期治療は治療費と治療頻度を抑えることが出来ます。
腰という漢字は肉付きに「要」と書きますよね。それほど大事な部位ですので上手に付き合いましょう。
腰痛を改善し、生活の質が高い状態で生活できる方が一人でも多く増えることを祈っております。