ブログ
NEWS & TOPICS
2021.01.23
お役立ち情報
体質を東洋医学の視点から理解し対策しよう!五臓10タイプ診断テスト
・自分の体質を把握したい
・自分の体質に合ったセルフケアに興味がある
・自分の体質はどんなことに気をつけるべきなのか
こんな思いをお持ちの人がこの記事にたどり着いたのではないでしょうか?
自分の体質を把握してその体質にあったセルフケアをすることが、「健康長寿・お悩みの症状を改善すること」に繋がります。
挙げるタイプは10通り。鍼灸の経絡(けいらく)治療という内臓へのアプローチに特化している分野の考えを元に作成をしています。
私達は、【生まれ持った体質である先天的なもの】と、【生活する環境下で体質が変化した後天的なもの】があります。元々はどんなタイプか、現在の体質はどこに当てはまるかを時々確認すると良いのです。
当てはまるタイプを探し、気をつけることを頭に入れ、自分に合ったセルフケアを実行・継続してください。
気をつけるセルフケアの分類は、大きく「食事」「睡眠」「呼吸」で分けています。これは自律神経=内臓の働きを整える基本のこととなります。
- 1.血と関りが深い肝タイプの全体的な特徴
- 1-1.豪快で親分肌な【①肝実証タイプ】
- 1-2.仕事ができてプライドが高い【②肝虚熱証タイプ】
- 1-3.気配り上手だが疲れてしまう【③肝虚寒証タイプ】
- 2.エネルギーの源である脾タイプの全体的な特徴
- 2-1.エネルギッシュで魅力的な【④脾虚胃実熱証タイプ】
- 2-2.日替わりで体調変化が著しい【⑤脾虚胃虚熱証タイプ】
- 2-3.ストレスに敏感で無理をしない【⑥脾虚寒証タイプ】
- 3.気と関りが深い肺タイプの全体的な特徴
- 3-1.自信家で細マッチョ【⑦肺虚熱証タイプ】
- 3-2.ネガティブ思考で保守派な【⑧肺虚寒証タイプ】
- 4.水分代謝と関りが深い腎タイプの全体的な特徴
- 4-1.老けにくく長生き傾向な⑨腎虚熱証タイプ
- 4-2.小心者で慎重派な⑩腎虚寒証タイプ
それでは順に紹介していきます。
1.血と関りが深い肝タイプの全体的な特徴
肝(かん)は血(けつ)と関りが深い関係にあります。肝や血とは肝臓や血液のことだけを指すもではなく、ホルモンバランスなども指す東洋医学独特の言い回しになります。
特徴から見ていきましょう。
-
春に注意
- 肝タイプの人は健康であれば春の時期に調子が良い反面、体調が悪いと精神的な乱れが出やすくなります。
- 頑張り過ぎるとメンタルのトラブルが出やすいので頑張り過ぎないように注意しましょう。
- また、不調が睡眠障害として出る人が多い傾向にあります。
- 対処としては、春の前のシーズンから睡眠に関係することを中心に生活習慣を見直し、鍼灸などでメンテナンスをしておくことが大切です。
-
酸っぱいものを好む
- 酸っぱいものを好む人が多いです。
- しかし、食べ過ぎると返って肝を痛めてしまいますので注意しましょう。
ほかにも肝の調子が悪くなると目や筋肉に疲れ・痛みとして出やすくなったり、怒りっぽくなることが特徴です。気血が頭部へ昇りやすいため、顔面が紅潮することもあります。
このように肝タイプは、体調が乱れるとメンタルと睡眠に出やすいのです。
肝の調子が崩れると「精神と睡眠に関係する血」に不具合が生じます。
私は肝タイプかな?と思った人は①肝実証タイプから順に②、③と比べていきましょう。比較的当てはまるものが多いシートがあなたのタイプになります。
1-1.豪快で親分肌な①肝実証タイプ
肝実証(かんじっしょう)タイプは肝(きも)が据わっていて豪快な親分肌。いわゆるボスのように頼られるタイプの人が多いのが特徴です。詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・瘀血舌(おけつじた):紫色など濃い色をしていて、シミのような斑点があることも。舌の裏は二本の静脈が怒張しています。
・気虚舌(ききょじた):全体的に淡い色。厚く腫れぼったい感じがあります。舌の縁に歯のあとが波打つようについていることがあります。
肝実証タイプが気をつけること
- 体力があり身体が常に活動的・興奮状態にあります。体力がある分だけ動いてしまうので気をつけてください。
- お酒も強い傾向にありますが、「強いということはその分危険である」ということを肝に銘じておきましょう。
- また、体質としては瘀血(おけつ)という血の循環が悪く、悪い血が溜まりやすいのが特徴です。
- 脳梗塞や心筋梗塞などを発症しないために血の循環を良くするためのセルフケアを習慣にして下さい。
このタイプは「睡眠の質」を向上させるためのセルフケアを中心に生活習慣を変えましょう。
おすすめのセルフケア
- ・寝酒を控える
- 就寝直前まで飲酒をすることは、肝臓の働きを悪くさせます。寝酒で寝つきは良くなりますが、酔いが抜けたタイミングから脳が覚醒しトータルの睡眠の質が悪くなります。
- 理想は就寝3時間前に飲酒を終わらせることと言われていますが、仕事上の付き合いなどで現実的に難しい人が多いと思いますので、「できるだけ」飲み終わる時間を早めるように気をつけましょう。
- ・軽い運動
- 血が停滞しやすい肝体質への対策は「軽い運動」です。運動をして呼吸量を上げることで溜まった悪い血を流しましょう。ポイントとしては、ゆっくり歩くより早歩きの方が効果的です。
- しかし、普段体を動かし過ぎている人がより運動をしてしまっては体調が悪い方向へいってしまうため、普段運動量が多い人は「深呼吸・吐く息を長くする」ことを生活の中でお気をつけください。
- ・足を温める
- 足首を中心に脚全体を温めましょう。元々上半身に熱が偏りやすい体質ですので、足を冷やすと上半身へ昇熱がさらに悪化します。
- 冷えている自覚がなくても、実際に足を触ると冷えている場合が多いため確認して下さい。肝実証タイプは暑がりで冷えに鈍感な人も多いので注意しましょう。
おすすめのツボ
- ・行間(こうかん):イライラが止まらないときに効果的
- ・合谷(ごうこく):上半身に緊張が入っている時に効果的
※ツボは痛気持ち良い強さで3〜5秒ほど指圧をするか、ネットやドラッグストアなどで販売しているお灸を熱さを3〜5回熱を感じるまで続けて使用してみてください。
1-2.プライドが高く働きマン②肝虚熱証タイプ
肝虚熱証(かんきょねっしょう)タイプは頭の回転が早い一方で頭に血が昇りやすい、良くも悪くもキレるタイプです。
詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・血虚舌(けっきょじた):他の体質に比べて小さい。全体的に淡い色。舌の苔は薄い。
・実熱舌(じつねつじた):舌の色は紅くて乾燥している。苔は黄色いところが目立つ。
肝虚熱証タイプが気をつけること
- 性格的に“良い加減”ができないタイプ。そのため仕事ができる人が多いのが特徴ですが、物事を徹底的に済ませたい性格で、それを他人にも求めてしまう傾向があるため注意しましょう。
- また、うつ病など精神疾患にかかりやすいタイプともいえます。精神疾患の発症者の中にはプライドが高かったと言われる人が本当に多いのです。頭に血が昇りやすいので、カッときた時には理性を保つことを心がけましょう。
このタイプは「睡眠の質」を向上させるためのセルフケアを中心に生活習慣を変えましょう。
おすすめのセルフケア
- ・睡眠中はへそを温める
- 睡眠中はへそを温めて下さい。お腹に気血が集まることで寝付きが良くなるからです。
- 肝虚熱証タイプはメンタルが疲れると中途覚醒(途中で起きて再び寝付けない)に悩まされる人が多く、これはストレスが強く溜まっているサインになります。
- ・完璧を求め過ぎない
- 自分にも他人にも完璧を求め過ぎないようにしましょう。自分と他人の価値観は一緒ではないことに注意をして指示を送れると周囲からの信用が強くなります。
- ・足を温める
- 肝虚熱証タイプも足を温めるようにしましょう。こちらも頭に熱が昇りやすい体質だからです。下半身が冷えることは、上半身へ熱が余計に偏ります。
- また、下半身の血流が促進されると腸の血流が改善します。腸から分泌される精神ホルモンの「セロトニン」などの分泌を促すためにも日頃から足を温めてください。
おすすめのツボ
- ・太衝(たいしょう):肝経の代表的なツボ
- ・百会(ひゃくえ):万能なツボ、緊張を抑える働きがある
1-3.気配り上手だが疲れてしまう③肝虚寒証タイプ
肝虚寒証(かんきょかんしょう)タイプは気配り上手ですが、それが続くと疲れてしまうタイプです。
詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・血虚舌(けっきょじた):他の体質に比べて小さい。全体的に淡い色。舌の苔は薄い。
・気虚舌(ききょじた):全体的に淡い色。厚く腫れぼったい感じがあります。舌の縁に歯のあとが波打つようについていることがあります。
肝虚寒証タイプが気をつけること
- 体は冷えやすく、ネガティブになりやすく気持ちの浮き沈みが激しいのが特徴です。
- 顔や手足末端が血の不足から血色が悪くなりやすく、爪の色も悪いことが多いです。
- 肝臓が疲れて血が不足しているため、血を増やすことや全身から戻ってきた汚い血を浄化する働きを向上させる必要があります。
このタイプは「睡眠の質」を気にして、良い睡眠がとれるためのセルフケアを特に心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・起床時間を7時から8時頃で一定にする
- 就寝23時を目標にするために朝起きる時間を一定にしましょう。
- なぜなら、23時から3時は血を増やす大切な時間だからです。
- 起きて太陽の光が目に入った時間から14~16時間後に睡眠ホルモンが分泌されます。
- 重要なのは起床時に太陽の光を浴びること。太陽の光を浴びることで体内時計がリセットされるため、早起きして太陽の光を浴びましょう。
- ・下腹部と足を温める
- 下腹部と足を温めましょう。
- 肝虚寒証タイプは腸が冷えて下痢や便秘になりやすく、女性は生理痛、血の量が多い月経過多でお悩みの人が多くいます。
- 腸と足、腸と子宮の血流は密接に関係しています。腸が冷えると子宮が冷えて子宮内膜が無理やり剥がされるため、痛みや出血量が増悪します。
- ですので、腹巻やレッグウォーマーなどを使って下腹部と下半身をポカポカにしましょう。
おすすめのツボ
- ・湧泉(ゆうせん)
- ・血海(けっかい)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
続いては胃腸の働きに関与する脾(ひ)タイプです。
2.エネルギーの源である脾タイプの全体的な特徴
脾(ひ)は口から栄養を消化・吸収してエネルギーをつくりだす場所です。ですので東洋医学的な脾は、胃腸や膵臓の消化器を主に指す言葉となります。
内臓の働きの中心である消化器が弱いタイプは、日頃の生活習慣を一番気をつけなければいけないタイプです。
全体的な特徴から見ていきましょう。
-
季節の変わり目の生活が大事
- 脾タイプは季節の変わり目(土用)の生活が大事です。
- 季節の変わり目とは立春、立夏、立秋、立冬の前18日間のことであり、この時期を土用と言います。
- 季節の変わり目は胃腸への負担をかけないことを心がけて下さい。
- 土用の期間に良い生活習慣が送れることで次の季節が比較的楽に過ごせます。
-
体調の悪いときは頑張らない意識が大切
- 体調の悪いときは“頑張らない”意識が大切です。
- 脾タイプの不調は胃腸にでやすく、栄養を消化・吸収できなくなります。
- 栄養が吸収できず体力がない状態で頑張ることは心身へのダメージが非常大きくなるため危険です。
- 身体的には貧血や免疫力の低下などの血液不足。精神的にはうつ病を発症するリスクが高くなります。
ほかにも脾タイプは、思い悩みやすかったり悲観的になりやすかったりします。甘いもの好む人が多く、摂り過ぎると身体が重い、だるい、浮腫むなどの症状に悩まされます。
このように、脾の調子が崩れると消化・吸収の働きが落ちて様々な胃腸トラブルが発生しやすくなります。
その調子を戻すためには「胃腸に負担をかけない食事」が特に大事となります。
それでは脾タイプを詳しく見ていきましょう。
2-1.エネルギッシュで魅力的な④脾虚胃実熱証タイプ
脾虚胃実熱証(ひきょいじつねっしょう)タイプはエネルギッシュで魅力的なタイプです。特徴をご覧ください。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・実熱舌(じつねつじた):舌の色は紅くて乾燥している。苔は黄色いところが目立つ。
・陰虚舌(いんきょじた):全体に赤い。舌の苔は少ない、またはほとんどない。舌の表面に裂け目があることも。
脾虚胃実熱証タイプが気をつけること
- 口や唇はその人が持っているエネルギーの大きさが現れやすい場所です。
- このタイプは沢山寝て沢山食べられる人が多いでしょう。
- 気をつけることは暴飲暴食に走りやすいところ。食欲ホルモンが出やすいため、ゆっくり食べることで満腹中枢の働きを待つように心がけて下さい。
- 口内炎や口角炎、吹き出物が出たら胃腸が疲れているサインですので気をつけましょう。
- 母性本能が強く、人のために動いてしまう人が多いのもこのタイプです。
このタイプは「食事の仕方」に気をつけ、胃腸の働きが正常に働くためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・リラックスする時間を増やす
- ティータイムなどリラックスする時間を増やしましょう。
- 現代人の傾向でもありますが働いている時間が長く、リラックスする時間が一日の中で少なくなっています。
- ジャスミンティーやローズティーを飲んでリラックス&食欲抑制効果を促して下さい。
- また、胃に熱を持ちやすいため身体を冷やす緑茶を飲むことも効果的です。
- ・生野菜を食べてクールダウン
- ハイ(躁状態)なっているときは胃に熱を持っています。そんなときは身体を冷やす生野菜を食べて調節しましょう。
- 身体を冷やす食材は夏に旬がくるものです。
- トマトやナス、きゅうり、レタスなどや、フルーツでは南国でなるバナナやパイナップル、マンゴーなどを食べましょう。
- くれぐれも身体を冷やす食材なので食べ過ぎに注意して下さい。
- ・腹八分目
- 食事は腹八分目に抑えましょう。
- 沢山食べてしまうと消化・吸収の働きで胃腸が疲れてしまい、空腹時の腸内の大掃除が出来なくなってしまうからです。
- 腸内の大掃除ができないと便秘や肌荒れ、かゆみなどが出るため食事は腹八分目までにして下さい。
おすすめのツボ
- ・梁丘(りょうきゅう)
- ・合谷(ごうこく)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
2-2.日替わりで体調変化が著しい⑤脾虚胃虚熱証タイプ
脾虚胃虚熱証(ひきょいきょねっしょう)タイプは日替わりで体調の変化が著しいタイプです。
詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・痰湿舌(たんしつじた):厚いベトベトした白色または黄色い苔がある。
・実熱舌(じつねつじた):舌の色は紅くて乾燥している。苔は黄色いところが目立つ。
脾虚胃虚熱証タイプが気をつけること
- このタイプは日替わりで体調の調子が変わりやすいため周りから誤解されやすいでしょう。
- 日頃から気圧をチェックして下さい。最近では気圧の変化が確認できるアプリがあります。
- ・気圧が低くなる最中に調子が悪くなるのか
- ・気圧が低くなる1、2日前なのか
- ・気圧が低くなる3,4日前なのか
- を把握しておきましょう。不調になるタイミングが把握できます。
このタイプは「食事の仕方」に気をつけ、胃腸の働きが正常に働くためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・首や手首、足首を冷やさない
- 外出時はマフラー、室内ではレッグウォーマーなどで首や手首、足首を冷やさないようにしましょう。
- これらの部位は自律神経と深く関わっているため、冷やさないセルフケアをすると気圧の変動に振り回されにくくなります。
- 冬の季節になると100円均一でもレッグウォーマーなどが販売されるので、クーラーで冷える夏でも使えるように冬の時期にストックしておきましょう。
- ・間食を控える
- 腸の調子を崩さないよう間食をできるだけ控えるようにして下さい。
- なぜなら、空腹時に腸が大きく動いて掃除を始めるからです。
- 腸内に汚れが溜まっていると下痢や便秘、肌荒れに繋がります。
- ・夜食は就寝3時間前までに終わらせる
- 夜食は就寝3時間前までに終わらせましょう。
- 寝るギリギリまで食べていると睡眠中の腸内の大掃除が起こりづらくなるからです。
- 90分に一度くる大掃除が睡眠中に3,4回くることが理想的な回数となります。胃を空っぽにして寝るようにして下さい。
おすすめのツボ
- ・足三里(あしさんり)
- ・中脘(ちゅうかん)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
2-3.ストレスに敏感で無理をしない⑥脾虚寒証タイプ
ストレスに敏感であることを自覚し無理をしないのが脾虚寒証(ひきょかんしょう)タイプです。詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・気虚舌(ききょじた):全体的に淡い色。厚く腫れぼったい感じがあります。舌の縁に歯のあとが波打つようについていることがあります。
・痰湿舌(たんしつじた):厚いベトベトした白色または黄色い苔がある。
脾虚寒証タイプが気をつけること
- 胃腸が冷えて消化・吸収の働きが悪くなりやすいのが特徴です。
- 身体のエネルギーとなる栄養を吸収しづらい体内環境なので、いつも体調が悪い傾向にあります。
- また精神的に繊細な部分があり、ストレスには敏感で直ぐに胃腸症状に出るのがこのタイプ。
- ただでさえ冷えやすいタイプなので身体を冷やす行為は絶対に止めましょう。
このタイプは「食事の仕方」に気をつけ、胃腸の働きが正常に働くためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・とにかく身体を温める
- とにかく身体を温めましょう。
- 身体が栄養を吸収することができずエネルギーが生産できないため、とにかく身体を温めて下さい。
- 一年を通して冷やさず保温することは勿論のこと、着るものや口に入れるもので体を温めることを心がけて下さい。
- ・寒い時期の外出時や睡眠中のマスク
- 冷気で胃を冷やさないように寒い時期の外出や睡眠中にはマスクをしましょう。乾燥している季節は口腔の保湿効果にもなります。
- ・耳マッサージ
- マスクを着用する時間が増えるため耳マッサージをしましょう。
- 長時間マスクをしていると耳周囲の血流が悪くなり、首肩こりや耳鳴り、頭痛、難聴になるリスクが高くなります。
- やり方は簡単。耳全体を親指と人差し指で挟み、ゆっくりとグルグル回すだけで効果があります。
おすすめのツボ
- ・衝陽(しょうよう)
- ・内関(ないかん)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
続いて肺タイプを紹介していきます。
3.気と関りが深い肺タイプの全体的な特徴
肺は気と関係が深いです。
気とは酸素などのエネルギーのこと。寒さなどの外因から身体を守る働きのある肺を全体的な特徴から見ていきましょう。
-
秋に注意
- 肺タイプは秋に風邪や気管支などの呼吸器系疾患が出やすくなります。
- 呼吸が自然と浅くなるため、「深い呼吸」と「姿勢」を意識しましょう。
- 皮膚と関係が強く、皮膚には汗腺があります。汗腺とは体温調整や肌の潤いを保つことをしていて、この働きが悪くなりやすい肺虚タイプは冷えやのぼせ、肌荒れ、痒みなどの皮膚症状が多くなります。
-
辛いもの好き
- 辛いものを好む傾向にありますが、食べ過ぎには注意して下さい。汗腺の働きが崩れて更に体温調整が悪くなります。
ほかにも大腸との関係が強く、大腸の働きが悪くなると肺の働きも悪くなるため、大腸の中の大掃除を促すセルフケアをする必要があります。
おすすめの趣味は姿勢と呼吸の両方が意識できるヨガや太極拳。習慣化できると一年間調子の良い日が比較的続くでしょう。
このように、肺の調子が崩れると呼吸が乱れて免疫力が下がります。
肺の乱れには気の流れを良くするために「呼吸を最大限活用できる姿勢」を意識することが大切です。
肺タイプかなと思った人はそのまま下にいって下さい。
3-1.自信家で細マッチョ⑦肺虚熱証タイプ
自分に自信をもっている細マッチョが肺虚熱証(はいきょねっしょう)タイプ。詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・陰虚舌(いんきょじた):全体に赤い。舌の苔は少ない、またはほとんどない。舌の表面に裂け目があることも。
・実熱舌(じつねつじた):舌の色は紅くて乾燥している。苔は黄色いところが目立つ。
肺虚熱証タイプが気をつけること
- 肺の働きが強く、胸を張る姿勢をとりがちになります。威圧感が生じるため、周囲との接し方に気をつけて下さい。
- また、その姿勢がバイタルサインになります。姿勢が悪くなるときは風邪などの不調になりやすいため注意しましょう。
- 適度な運動をしていると調子が良いタイプです。
このタイプは「最大限の呼吸量を促す姿勢」を気にして、血流を全身へ送る力を上げるためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・身体を冷やさない
- 肺虚熱証タイプは身体を冷やさないように注意して下さい。
- 冷えると身体のバリア機能が落ちやすく、風邪などの体調を崩しやすいからです。
- その証拠に全身に体毛が多いのが特徴。体毛は弱いところに生えます。
- ですので、このタイプは全身脱毛をおすすめしません。また、汗をかきやすいのが特徴なので、汗をかいた後は直ぐに着替えるようにして下さい。
- 冷たい食べ物や飲み物で身体の内面から冷やすことも避ける必要があります。
- お酒など冷たいものを口にするときは、その前に温かいものを口にしてからにしましょう。
- ・有酸素運動
- 早歩きなど軽めの有酸素運動をして下さい。
- 肺虚熱証タイプは基本的に少し汗をかいている時が一番調子が良い状態だからです。
- そうすることで、お小水やお通じの調子も良くなるでしょう。体力があるが風邪を引きやすいのがこのタイプなので軽い有酸素運動をおすすめします。
おすすめのツボ
- ・尺沢(しゃくたく)
- ・三陰交(さんいんこう)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
3-2.ネガティブ思考で保守派な⑧肺虚寒証タイプ
つい物事をネガティブに考え過ぎてしまって行動できないのが肺虚寒証(はいきょかんしょう)タイプ。
詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・陽虚舌(ようきょじた):全体的に白く、舌の縁に歯のあとが波打つようについていることがあります。苔は薄く白い。
・気虚舌(ききょじた):全体的に淡い色。厚く腫れぼったい感じ。舌の縁に歯のあとが波打つようについていることがあります。
肺虚寒証タイプが気をつけること
- このタイプの人も体力が少ないです。身体が冷えやすく風邪を引きやすいため常に身体を温めて下さい。
- どうしても一年を通して調子の悪い日が多くなってしまいますが、特に注意するのは胃腸トラブルが併発したときです。
- そのときは、身体がかなり限界にきているサインですので無理はせず頑張らないようにして下さい。そこで頑張ってしまうとストレス過多となり、うつ病などの精神疾患にかかりやすくなります。
このタイプは「最大限の呼吸量を促す姿勢」を気にして、血流を全身へ送る力を上げるためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・背中をカイロやドライヤーで温める
- 肩甲骨の間の高さに風邪を予防するツボがあります。
- 外出時などはそこにカイロを貼り、自宅では服を着たまま背中をドライヤーで温めて下さい。
- 体調が悪いときは背中を触ってみましょう。きっと肩甲骨の間が冷えているはずです。
- ・起床時に背中を伸ばしましょう
- 起床時に身体を起こして背中を伸ばす癖を付けましょう。
- 無意識によくする癖でもありますが、肺虚寒証タイプの人は肺を守ろうと本能的に背中を丸めます。
- いつの間にか起床時の伸びを忘れている人も多いので再び習慣にして下さい。
- ・鼻で吸い口で吐く深呼吸
- 鼻で大きく吸って、口からなるべく吐き切る深呼吸をしましょう。
- 鼻から吸うことで沢山の空気を吸えます。呼吸を深く使えると、お腹の中の姿勢を維持するインナーマッスルが働きます。
- 目安は一日5回を2,3セットに分けてして下さい。
おすすめのツボ
- ・太淵(たいえん)
- ・陰陵泉(いんりょうせん)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
最後のタイプは腎です。見ていきましょう。
4.水分代謝と関りが深い腎タイプの全体的な特徴
腎は水分代謝と生命エネルギーに関係が深いところになります。全体的な特徴から見ていきましょう。
冷えに弱く、暖かい季節に調子がいい
- 腎タイプは春や夏の暖かい時期に調子が良いです。
- 冷えに弱いタイプであり、特に下半身を冷やさない・温めることを意識して過ごしましょう。
排尿トラブルが多い
- 水分代謝の問題が多くなるため、頻尿や浮腫み、便秘、下痢などでお悩みの人が多いでしょう。
- 夜間頻尿がある人は日中の水分代謝が悪いため、横になった夜間に水分が体幹へ戻りやすくトイレが近くなります。
塩辛いものを好む
- 味は塩辛いものを好む傾向にありますが、食べ過ぎると浮腫みやすくなります。
そのほかに腎は腰との関係が深いですが、腰は特に冷えに弱いところです。冷やすと痛みや重だるい症状が出ますので気をつけて下さい。
このように、腎タイプは「体を冷やさない」ことが大切です。
当てはまるものを見ていきましょう。
4-1.老けにくく長生き傾向な⑨腎虚熱証タイプ
生命エネルギーが強いので老けにくく、比較的長生きしやすいのが腎虚熱証(じんきょねっしょう)タイプ。
詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・陰虚舌(いんきょじた):全体に赤い。舌の苔は少ない、またはほとんどない。舌の表面に裂け目があることも。
・気滞舌(ききょじた):両側が赤く、中央に白または黄色の苔がある。
腎虚熱証タイプが気をつけること
- 生命力が強く体力旺盛で活力もあります。
- ですので腎の働きが良い人は老けにくく、長生きする傾向です。
- 注意することは食欲旺盛で肥満になりやすく、性欲も強いので房事過多(性行為のし過ぎ)で体の水分が不足し、体調が崩れるため注意が必要です。
このタイプは「冷えと補水」に気をつけ、生命力を落とさないためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・足首を温める
- 足首をアンクルウォーマーやレッグウォーマーで温めましょう。
- 足首周りは腎のツボが沢山あるからです。
- 注意するところは、睡眠中は足の裏から汗をかいて体温を調節するため、靴下などで覆わないようにして下さい。
- 睡眠の質が悪くなります。
- ・腰やお尻を冷やさない
- 腰やお尻も冷やさないようにして下さい。
- 腎と関係の深い腰は、とにかく冷えに弱いところです。
- お尻は脂肪が多い場所であり腰に近い場所であるため、腹巻きなどで一緒に温めましょう。
- ・水分を一日2リットル目標に飲む
- 水分を一日2リットル目標に飲んで下さい。
- 腎が強いと熱をもって体内外で乾燥しやすくなるからです。
- しかし、内臓を冷やしたくないので常温または温かい飲み物にしましょう。水分不足は認知症などの記憶にも関係します。
おすすめのツボ
- ・太渓(たいけい)と復溜(ふくりゅう)
※太渓~復溜エリアをカイロやアンクルウォーマーなどで全体的に温めると良いでしょう。
- ・湧泉(ゆうせん)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
4-2.小心者で慎重派な⑩腎虚寒証タイプ
恐がりな性格で慎重に物事を決める人が多い腎虚寒証(じんきょかんしょう)タイプ。
詳しく見ていきましょう。
体調が悪いと出やすい舌の状態
・陽虚舌(ようきょじた):全体的に白く、舌の縁に歯のあとが波打つようについていることがあります。苔は薄く白い。
・腎虚舌(じんきょじた):様々なパターンがありますが、全体的に色が良くなく、裂け目や乾燥がみられ、痩せて若々しさがない。
腎虚寒証タイプが気をつけること
- こちらのタイプも比較的体力がありません。
- いつも体力がないわけではなく時には頑張れるときもありますが、もともとの体力がないため少し無理をするとすぐにダウンしてしまいます。
- 冷え性から腰痛や浮腫みなどを持っている人が多く、このタイプは温かい飲み物からの水分補給と保温だけでなく率先して身体を温めるようにして下さい。
このタイプは「冷やさない」を気にして、今ある体力を更に落とさないためのセルフケアを心がけましょう。
おすすめのセルフケア
- ・湯船に入る
- 湯船に入る習慣をとり入れましょう。
- 湯船に入ると水圧で末端に溜まった水分を体幹へ回収しやすくなるからです。夜間の頻尿や浮腫みなどに効果があります。
- また、水温41度以下で15分程入るようにして下さい。
- 42度以上では血管が収縮して血流は反対に悪くなります。15分間ずっと肩まで浸からなくても大丈夫です。
- ・足首と下腹部を温める
- 足首に関しては⑨腎虚熱証タイプで書いた通りです。
- しかし、腎虚寒証タイプは特に冷える体質なので同時にカイロなどで下腹部も温めましょう。
- 足の循環と腸の循環は密接に関係しています。
- 女性は生理トラブルで悩む人が多いと思いますが、子宮は腸の傍にあるので毛糸のパンツなどを履いて冷やさないようにしましょう。
おすすめのツボ
- ・太渓(たいけい)と復溜(ふくりゅう)
※太渓~復溜エリアをカイロやアンクルウォーマーなどで全体的に温めると良いでしょう。
- ・太淵(たいえん)
※ツボは痛気持ち良いところで3から5秒ほど指圧するか、ドラッグストアなどで販売している千年灸を熱さを感じるまで続けて使用して下さい。
いかがでしたでしょうか。ここで紹介したものは東洋医学的に診る「望診」と「舌診」一部「問診」からタイプ分けをしています。
鍼灸師や漢方医は、それらとプラスして実際に身体を触って診断する「触診」を組み合わせて不調を見極め治療をしています。
冒頭でも説明したように、体質とは生まれ持った先天的なものと生活環境の変化からくる後天的なものがあります。
ですので、上記のタイプはたまに変わるときがあるため、不調を訴えるタイミングなどで確認し、その時に合ったセルフケアをして下さい。
自分の体質を把握し、その体質に合ったセルフケアをする。
そして、いつまでもできるだけ今の状態を維持できる・改善できる人が一人でも増えることを心から願っております。